編集:記念すべき初回、撮影後の感想はいかがだったでしょうか?

野下:まずはモデルの汐崎まいちゃんが本当に素晴らしかった。一言で言うと「絵に描いたように可愛い」(笑)。
彼女を初めて撮影したのは確か平成12年の5月だったと記憶しているんだけど、良い意味でその頃の第一印象が今でも変わっていない。
「旬」という言葉を使うのであればずっと旬の状態が続いているというか、本当にこれはすごい事なんですよね。

編集:そもそも今回の連載のテーマの一つは「旬を撮る」ですよね?

野下:こう言っては語弊があるけど、ティーンモデルさんを撮影していると誤解を恐れずに言うと「前回の撮影の時の方が可愛い・・?」とつい感じてしまう瞬間があるときがある。
でもまいちゃんは(すでに何度も撮影する機会があったけど)毎回やっぱり可愛い。「今が一番カワイイ」が続いている。
心身ともに成長過程にある世代のモデルさんと仕事をしていると、実はこのタイミングがとても難しかったりします。切実に(笑)・・。

編集:確かにキャスティングしたモデルさんが2、3ヶ月したら別人のようになっちゃってた・・・という話はよく聞く話ですよね。

野下:そうなると申し訳ないけどやはり写したいと思う欲が薄れちゃったりしますもん、正直なこと言えば(笑)。
しかもまいちゃんのすごさはそれだけではない。いつどんな状況で撮影しても、まいちゃんは期待を満点で返してくれる。意外性やホームラン的なサプライズはなくても、全ショットが使えるクオリティ。

編集:全ショットが使えるクオリティ、それはすごい!
まいちゃんは5年生ですよね?今回はそんなまいちゃんをどうやって撮影しようというプランだったんですか?

野下:今回は夏休み中の撮影ということもあり、私たち世代の定番シチュエーションである(笑)清流での撮影をイメージして、そこから夏という印象的な季節をまいちゃんに重ねていくプランでした。 登山鉄道の駅を使わせてもらったり、西湘南の大磯港まで足をのばしたり。

編集:本誌で掲載したメイン写真はすべて清流でしたよね?

野下:全シーン使いたかったんですけど(笑)、やはり清流の美少女的な絵が初めから撮影イメージとして強くて実際に早川の水辺に立つまいちゃんは想像通りピタっとその空気にとけ込んでくれた。 まさに想像通り、イメージ通りの清流の美少女。
いや、想像以上、イメージ以上の出来でした。

編集:というわけで本誌で掲載できなかった写真はこちらのwebサイトでということですね?(笑)

編集:ところでモデルのまいちゃんの魅力について何か感じたことはほかにありますか?

野下:撮影を心から楽しんでくれていたのが印象的ですね。まいちゃんのモデルとしての魅力のふたつめはこの才能かな。
お仕事としてのモデル、その理解が前提でその先に「楽しむ」という感性がある。

編集:モデルさんにそんな感性があるとぐっと魅力的な写真になるんですよね。

野下:まあ私たちカメラマンはそういう表情が撮りたくてロケを組むわけなんです。
スタジオでは感じることのできない自然に身をおくと特にティーンの子は目が生き生きとしてくる。
私個人として少年時代からずっと抱き続けてるいろいろな(撮影)イメージがあり、その世界にどんなモデルをどう当てはめたいのか。
モデル選びやロケ地選びをする際に一番こだわりたいのがそういう事なんです。今回のまいちゃんはそこにぴったりとはまってくれた。

編集:まさに「小学生の夏休み」を切りとった素晴らしい写真になっていましたね。

野下:まいちゃんのすごさ、最後にもう一つ(笑)。それは等身大の可愛さということ。
まるで外人さんのような顔立ちというわけでもなく、ファッションモデルさんのような派手さやサイズ感があるわけでもないんだけど、でも実は彼女ほど平均値の高いモデルさんは実は滅多にいない。
事務所のマネージャーさんに言わせると、だから彼女はCM出演が多いそうなんです。つまり「自分の周囲にいそうでいない等身大の可愛さ」というか・・。
CM美少女と言われるモデルさんをよく観察するとわかるんですが、派手に可愛い顔の子は実はCMにはあまり出ていないと。
それこそまいちゃんが今、大手のCMに引っ張りだこなのはこの「平均値の高さ」なんだということですね。さすが大手のCM担当者さんは「旬」がわかってますね~(笑)、、というエピソードでした。

編集:さてそんなまいちゃんですが、今回の撮影で苦労話なんかはありましたか?

野下:今回ロケ地に選んだのは芦ノ湖から箱根を流れる早川の中流。
ちょうど撮影日は台風の影響で風がすごかった。間断なく風が吹いていて、雲も早いので太陽も1分単位で出たり出なかったりの繰り返し。
もうこうなるとヘアメイクさんでもどうにもならないぐらい髪型や衣装が乱れちゃうし、撮影条件もコロコロ変化しちゃう。
そんな状況で自分のイメージした写真を撮るとなると、これはもう数を打つしかないというのが本当のところ。場合によっては連射する場面もあったりで、天候が一番の問題となった撮影でした。

まあロケというのはそういうものなので、天候がどう転がっても作品が撮れるようにロケハンをじっくりやることが事前の唯一の問題回避策。 当然今回も何パターンもの作品イメージとそのシチュエーションを頭に入れてからの撮影だったので天候を制することはできました。

編集:真夏の撮影ご苦労様でした。さてでは最後に、読者のみなさんに一言お願いします。

野下:次回どんなモデルさんでどのような仕掛けを作ろうか?モデル事務所の関係者や業界の方からの情報をもとに、次回のロケの準備を進めています。
そんな中、次回のモデルさんは現役の女子○○生タレントさんに決定!事務所関係者も「最近すっごく健全な色気プンプンです!」と太鼓判の彼女。 「今を逃すと絶対に後悔する」。私自身もそう感じているモデルさんの登場にご期待ください!